公益社団法人 北海道理学療法士会

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理学療法士の皆様へ

知識のマグマ

Vol.34 扁平足と足底感覚閾値の関係について
北海道文教大学 
高田 雄一


1.はじめに
 足にはアーチ構造があり、立位や歩行において衝撃を吸収し荷重を分散する役割を担っている。足アーチは内側縦アー
チ、外側縦アーチ、横アーチで構成され、内側縦アーチは体重を支持している1)。また、足底には多数のメカノレセプター
が存在しており、身体の状況変化に対して感覚情報を集積して2) 足底から正確な感覚入力を行い、これらの情報を基に
我々は姿勢調節を行う。足部形状には変形のない健常足から代表的な変形である扁平足などがあり足底で荷重がかかる部
位は異なる。そこで今回は健常足と扁平足では足底感覚閾値にどのような違いがあるかについて紹介する。

2.健常足と扁平足での足底感覚閾値の違いについて
 9 つの足底部位(図1)について、足部形状における足底感覚閾値について健常足群と扁平足群とで群間比較したところ、小趾球で健常足群と比較して扁平足群では足底感覚閾値が有意に低かった4)(表1)。足底面には荷重刺激が加わり、一般的に刺激をよく受ける部分は触圧覚の閾値が高くなり、刺激をあまり受けない部分は閾値が相対的に低くなる。これまでにも足底10 ヵ所の足底感覚および1 歩行周期の足底圧を測定し分析して荷重量の高い部位では足底感覚閾値が高く、荷重量の低い部位では足底感覚閾値が有意に低いことが報告されている3)。扁平足群は健常足群と比較して足圧中心位置が有意に内側へと偏移しており5)、足底の内側が床面へ接地している。また扁平足群では健常足群と比較して内側への荷重が多くなり外側への荷重は健常群よりも少なくなり、小趾球の床面への荷重量が健常群よりも少なくなり足底感覚閾値が有意に低かったことが考えられた。
 扁平足とは形状の変化だけでなく足底への荷重量へ影響し、足底感覚閾値にも影響することからも身体部位へのメカニカルストレスを減らすことが出来るかについても今後検討していく。


図1 足底感覚測定部位



表1 健常足と扁平足での足底感覚閾値の差についてモノフィラメント圧痛覚計を用いて計測した結果


【文献】
1) 武田さおり,他:長時間立位による足部アライメントの変化に関する検討―アーチ高率と足底圧から―.東北理学
療法学,1999, 11: 36-41.
2) 井原秀俊:関節トレーニング,神経運動器協調訓練,改訂版2 版.協同医書出版,東京,1996, pp89-107.
3) 木本優美,他:足底全体の触圧覚閾値と足底圧との関係性.理学療法の臨床と研究,2011, 20: 85-89.
4) 高田雄一, 他:扁平足がモノフィラメント圧痛計による足底感覚閾値に与える影響.理学療法科学,2016,31(6):
893–896
5) 三秋泰一,他:アーチ高率の違いによる内外側方向における足圧中心位置の検討.理学療法科学,2007, 22(3): 409-
412.